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生命保険金は相続財産に含まれるの?

問題の所在

 故人が亡くなったことにより支払われる生命保険金(受取請求権)が「相続財産に含まれない」となれば、受取人は、遺産分割手続きを経ずに生命保険金を取得することができます。
 この点については、、誰を保険金受取人として指定していたかによって変わってきます

 

保険金受取人として故人を指定していた場合、生命保険金(受取請求権)は相続財産に含まれます

 この場合、観念的には保険金受取請求権は一旦故人に帰属し、その後相続によって相続人に帰属すると考えられます。
 相続財産に含まれると解されるため、相続放棄をした場合、相続人であった者(相続放棄により相続人の地位を失った者)は、生命保険金(受取請求権)のうち自己の相続分に相当する部分を受け取ることはできません。

 

保険金受取人として特定の者が指定されていた場合、生命保険金(受取請求権)は相続財産に含まれません

 この場合、その生命保険契約は、受取人として指定された者を対象にした「他人のための保険契約」と解されるため、生命保険金(受取請求権)は保険金受取人として指定された者の固有財産になると解されます(大判昭和11年5月13日 民集15巻11号877頁)。
 そのため、保険金受取人として指定された者は、相続手続を経ることなく、生命保険金(受取請求権)を取得することができます。
 また、生命保険金(受取請求権)は相続財産に含まれないため、仮に保険金受取人が相続放棄をした場合であっても、生命保険金を取得することができます。

 

保険金受取人として単に「相続人」とだけ指定されていた場合、生命保険金(受取請求権)は相続財産に含まれません

 この場合、その保険契約は、故人が亡くなった時点における相続人たるべき者を保険金受取人として指定した「他人のための保険契約」と解されます。そのため、生命保険金(受取請求権)は、故人が亡くなった時点における相続人たるべき者の固有財産となると解されます(最判昭和40年2月2日 民集19巻1号1頁)。
 そして、相続人たるべき者が取得する生命保険金(受取請求権)の割合は、法定相続分の割合になると解されます(最判平成6年7月18日 民集48巻5号1233頁)。
 また、生命保険金(受取請求権)は、保険事故(=故人の死亡)発生と同時に相続人たるべき者の固有財産となっていると解されるため、仮に相続人たるべき者が相続放棄をした場合であっても、相続人たるべき者は法定相続分の割合に応じた生命保険金を取得できるものと解されます(大阪高判平成27年4月23日 判時2283巻171頁)

 

 なお、生命保険金が相続財産にあたらないとされる場合であっても、相続税法上は「相続財産」と扱われるケースもあります
 詳しくは、「相続税の計算」における「生命保険金の税法上の扱いについて」をご参照ください。

 

参照記事

 遺言書に関する疑問は「遺言書Q&A」をご覧ください。
 相続に関する疑問は「相続Q&A」をご覧ください。

 

 

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