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主な相続財産の評価方法

相続財産 評価方法
土地 宅地

【路線価方式】路線価×面積
【倍率方式】固定資産税評価額×倍率

借地権 自用地の評価額×借地権割合
貸宅地 自用地の評価額×(1-借地権割合)
貸家の敷地 自用地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
建物 自宅 固定資産税評価額×1.0
貸家 固定資産税評価額×0.7
手許現金 死亡日の残高
普通預金 死亡日の残高
定期預金 死亡日の残高+利息(源泉税は差し引く)
株式 上場株式 死亡日の終値 ただし死亡月/前月/前々月の毎日の最終価格の平均値も採用可
非上場株式 原則的評価方式/特例的評価方式(議決権割合による)
投資信託 死亡日の時価
死亡保険金 保険金額(非課税枠:500万円×法定相続人数)
死亡退職金 支給金額(非課税枠:500万円×法定相続人数)
個人年金 一定の評価方法により計算
ゴルフ会員権 取引価格×0.7(預託金がない場合)
金現物 死亡日の小売価格
自家用車・絵画・家財 死亡日の時価
電話加入権 1,500円

土地の評価方法

土地の種類

評価方法

宅地 路線価方式 または 倍率方式
農地 山林 倍率方式 または 宅地批准方式
雑種地 近傍地の1㎡あたりの価額に面積をかける

※宅地比準方式…農地が宅地であるとした場合の価額から、転用する場合にかかる造成費相当額を控除した金額により評価する方法

 

宅地の評価方法

 国税庁のHPの評価倍率表で当該宅地の町名を探します。(参考:平成28年財政評価基準書 路線価図・評価倍率表
 「路線」と書かれていたら路線価方式、「1.1」などの倍率が書かれていたら倍率方式で評価することになります。
≪路線価方式≫
 市街地にある宅地は、その宅地が面している道路につけられた路線価に面積をかけて評価額を求めます。
 路線価とは、その道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額のことで、国土交通省が公表している毎年1月1日現在の土地の価格(公示価格)の約8割になるように設定されています。
 なお、標準的な形の土地でない場合、補正率をかけて調整を行います。
≪倍率方式≫
 市街地から離れた地域の宅地は固定資産税評価額に倍率をかけて評価額を求めます。

 

小規模宅地等の特例

 小規模宅地等の特例の対象となれば、一定の面積まで土地の課税価格が8割引または5割引で評価されます。ただし、この特例の対象と認められるためには、以下の要件を備える必要があります。
≪対象になる土地≫
 まず、対象になる土地は、①自宅用、②店舗や事業用、③賃貸用の3つに分かれます。
 ①自宅用は、故人の自宅の敷地のうち、330㎡までの部分が8割引となります。なお、故人が老人ホームに入所していても、相続時に要介護や要支援認定を受けていれば、入所前に住んでいた自宅の敷地も対象となります。
 ②店舗や事業用は、故人が店舗や事業のために使っていた土地のうち、400㎡までの部分が8割引となります。だだし、③賃貸賞に該当する土地は除かれます。
 ③賃貸用は、故人が有償で貸していた土地(賃貸マンションの敷地や貸駐車場だった土地など)のうち、200㎡までの部分が5割引きとなります。
≪対象になる相続人≫
 上記のタイプに当てはまる土地であっても、次の要件を備える人が相続しない限り、特例を適用できません。
 ①自宅用については、(ア)故人の配偶者、(イ)故人と同居していた親族(持ち続け、住み続けること)、(ウ)(ア)(イ)に該当する人がいない場合のみ、故人と別居していた親族(持ち続けること)。ただし、相続開始前3年以内に自分または配偶者の持ち家に住んでいなかった場合に限る。
 ②店舗や事業用、③賃貸用については、故人の親族(持ち続け、事業を続けること)
 なお、「持ち続け」「住み続け」「事業を続け」なければならないのは、相続税の申告期限である亡くなってから10か月後までです。その後は、売っても、引っ越しても、廃業してもよいことになっています。
≪その他の要件≫
 ①相続税の申告書の提出
 小規模宅地等の特例の適用を受けることを記載した明細書と相続税の申告書を税務署に提出する必要があります
 ②相続税の申告期限までに遺産分割協議をまとめること
 相続税の申告期限までに、誰がその土地を相続するのかを決めること。仮に、相続財産全てについて遺産分割協議がまとまらなくても、特例の対象になる土地だけでも誰が相続するのかが決まれば特例の適用を受けることができます(一部分割)。
 一部分割も難しい場合には、減額を行わない形の相続税の申告書と申告期限後3年以内の分割見込書を申告期限までに所轄税務署に提出し、特例の適用を受けない相続税額を納めます。この場合、3年以内に遺産分割協議がまとまれば、特例の適用を受け、納めすぎた税金を返してもらうこともできます。

宅地の種類

対象者

限度面積

減額割合

自宅用

配偶者/同居親族/(別居親族)

330㎡

80%

店舗や事業用

親族

400㎡

80%

賃貸賞

親族

200㎡

50%

 

株式の評価方法

上場株式の評価方法

 上場株式は、故人が亡くなった日の最終価格(株価)を基準とします。故人の亡くなった日が証券取引所の休業日であった場合は、死亡日の直近の最終価格を使うことになります。
 ただし、上場株式の株価は大きく変動することも多いため、「亡くなった月」「その前月」「その前々月」の毎日の最終価格の平均額を用いることも認められています。すなわち、4つののうち最も低い価額を使うことが許されています

 

非上場株式の評価方法

 非上場株式は、「誰が相続するか」によって評価方法が異なります。
 株式を相続した人が会社に対する支配力の強い「同族株主」なら、会社の利益や資産などを基にした「原則的評価方式」で評価します。
 他方、支配力が弱いその他の株主なら、配当だけを基にした「特例的評価方式(配当還元方式)」で評価します。
 「同族株主」にあたるか否かは、自分と親族の議決権割合の合計が全体の3割以上になるか否かで判断します。ただし、5割超の人がいるときには5割を超えた人だけが同族株主になります。
≪原則的評価方式≫
 原則的評価方式には、「類事業種比準方式」「純資産価額方式」「両方の併用方式」があり、会社の規模に応じて使い分けます。
 ※類似業種比準方式…業種の類似した上場会社と、株価、1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額などを比較し、株式の評価額を算出する方式
 ※純資産価額方式…相続税評価額で評価した資産の額から、負債の額、法人税相当額を控除した金額を、発行済株式数で除して、株式の評価あくを算出する

相続した人

評価方式

会社の規模

評価方法

同族株主

原則的評価方式

大会社

類似業種比準方式

中会社

併用方式

小会社

純資産価額方式

同族株主以外

特例的評価方式

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