相続税の申告
申告する必要はあるの?
「課税価格の合計額」が基礎控除額を上回る場合は、税務署に相続税の申告書を提出し、相続税を納める義務があります。
また、「課税価格の合計額」が基礎控除額を下回る場合は、相続税を納める必要はありません。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった税額軽減の特例を受ける場合には、必ず申告書を提出する必要があります。
申告方法
相続税の申告書は、申告義務のある人の全員が、共同で1通を作成し、同じ書類に記名押印したうえで、故人の死亡時の住所地の所轄税務署に提出します。
提出書類 | 相続税の申告書 |
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提出先 | 故人の最後の住所地の所轄税務署 |
提出期限 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内 |
提出義務者 | 故人から相続又は遺贈により財産をもらった人 |
相続税の納税
原則
相続税の納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、現金で、かつ、一括で納めるのが原則です。
書類の名称 | (納付書)領収済通知書 |
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納税場所 | 故人の最後の住所地の所轄税務署または金融機関 |
納税期限 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内 |
納税義務者 |
故人から相続又は遺贈により財産をもらった人 |
延滞税
納税期限を過ぎてしまうと、本来の相続税に加えて、延滞税を支払う必要があります。
延滞税の割合は、本来の納期限から2か月間は年2.7%(平成29年)ですが、その後は年9.0%(平成29年)となります。
過少申告加算税
期限内に行った申告について、税務調査に基づき修正申告した場合、過少申告加算税が課されます。
課税割合は、原則として修正申告で納める相続税の10%相当額ですが、期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%となります。
なお、自主的に修正申告した場合は過少申告加算税は課されません。
無申告加算税
相続税の申告を納税期限後に行った場合や、申告せずに税務署から決定処分を受けた場合には、無申告加算税が課されます。
課税割合は、自発的期限後申告の場合は5%ですが、それ以外の場合で納付税額が50万円までは15%、50万円を超える部分は20%となります。
重加算税
課税財産として申告すべき財産を隠匿するなど、仮装、隠ぺいした場合には、重加算税が課されます。
課税割合は、過少申告加算税に代えて課される場合には35%、無申告加算税に代えて課される場合は40%です。
延納・物納
相続税を現金で一括で納めるのが難しいという場合には、例外的に、分割払いの「延納」や物で払う「物納」も認められています。申告期限までに申告書を提出すれば、所轄の税務署は許可または却下の判断を行います。
≪延納≫
延納の許可を受けるためには、有価証券や土地建物などの財産を担保として提供する必要があります。ただし、延納税額が50万円未満で、延納期間が3年以下の場合は担保は不要です。
延納が認められる最長期間は20年間です。なお、期間中は利息に相当する利子税も負担します。
≪物納≫
物納は、延納による分割払いによっても現金で納税できない場合に限って認められます。
物納できる財産は、財産の種類ごとに順位が決まっており、①国債、地方債、不動産、船舶、②社債、株式、証券投資信託又は貸付信託の受益証券、③動産の順です。
修正申告/更生の請求
修正申告
実際の納税額が、本来納めるべき相続税額よりも少なかった場合は、修正申告を行います。
期限はありませんが、遅くなると延滞税や過少申告加算税がかかってしまいます。
更生の請求
実際の納税額が、本来納めるべき相続税額よりも多かった場合は、更生の請求を行うことで、納めすぎた相続税の還付を受けられます。
更生の請求の期限は、相続税の申告期限から5年以内です。
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