相続分を指定する遺言の効力は？

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相続分を指定する遺言の効力は？

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指定相続分を基礎として、各相続人の具体的相続分を算出し、これに基づき遺産分割を行います

　「特定の遺産を特定の相続人に相続させる」趣旨の遺言と異なり、「誰が何を相続するか」を決めるため、遺産分割協議を行う必要があります。
　【参照】特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言の効力は？

各相続人は、個々の相続財産に対して、各指定相続分の割合に応じた持分権を取得します

　そのため、各相続人は、遺産分割前であっても、個々の相続財産に有する持分権を処分することができます。

相続債務について、相続債権者との関係では、承認のない限り、各相続人は法定相続分に応じて、相続債務を承継します

　共同相続人同士の間における相続債務（＝故人が負担していた債務）の負担割合は、指定相続分によります。すなわち、より多くの相続財産を取得した相続人は、相続債務についても、より多く負担することが求められます。
　しかし、これでは、相続債権者（＝故人に債権を有していた者）の「法定相続分に応じて相続人が債務を負担してくれる」という期待を一方的に奪うことになりかねません。
　そこで、相続債権者の承認ある場合に限り、指定相続分に応じた相続債務の承継が認められます。
　すなわち、相続債権者は、各相続人に対して、①指定相続分による債務の承継を承認して、指定相続分に応じた相続債務の履行を求めることも、②法定相続分に基づく相続債務の履行を求めることも認められています（最高裁判決平成21年3月24日　民集63巻3号427頁）。

参照記事

　◆遺言書に関する疑問は「遺言書Q&A」をご覧ください。
　◆相続に関する疑問は「相続Q&A」をご覧ください。
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