相続の単純承認、限定承認、相続放棄の違いは?
単純承認は、故人のプラス財産もマイナス財産も全て引き継ぎます
単純承認をした相続人は、無限に故人の権利義務を承継します(民法920条)。
そのため、単純承認をした相続人は、故人の財産がトータルでマイナスになるような場合には、相続人自身の財産によって故人の債務を弁済する必要があります
相続放棄は、故人の相続財産の一切を引き継ぎません
相続放棄をした相続人は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。
そのため、相続放棄をした相続人は、故人のマイナス財産について責任を負うことはありませんが、プラス財産についても引き継ぐことはできません。
相続放棄については、「相続財産がマイナスの場合、どうすればよい?」もご参照ください。
限定承認は、故人のプラス財産の限度で、マイナス財産について責任を負います
限定承認をした相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ故人の債務及び遺贈を弁済することを留保して相続財産を承継します(民法922条)。
そのため、限定承認をした相続人は、プラス財産に余剰が出れば余剰分を相続し、プラス財産で賄いきれなければマイナス超過分について責任を負うことはありません。
限定承認については、「相続財産がプラスかマイナスか分からない場合、どうすればよい?」もご参照ください。
単純承認 |
限定承認 |
相続放棄 |
|
---|---|---|---|
特徴 | プラス財産もマイナス財産も両方引き継ぐ | プラス財産の範囲でマイナス財産を弁済する | 相続財産を一切引き継がない(プラスもマイナスも) |
想定例 | プラス財産>マイナス財産 | プラス財産とマイナス財産のどちらが多いか不明 | プラス財産<マイナス財産 |
長所 | 手続きが簡単 | プラス財産に余剰があれば引き継げる | マイナス財産を一切引き継がなくてよい |
短所 | マイナス財産も引き継ぐ | 手続きが煩雑 | プラス財産も一切引き継げない |
手続き |
何もしなくて良い |
3か月以内に家庭裁判所へ申述 | 3か月以内に家庭裁判所へ申述 |
参照記事
遺言書に関する疑問は「遺言書Q&A」をご覧ください。
相続に関する疑問は「相続Q&A」をご覧ください。
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