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相続放棄は、いつまでに行えばよい?

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります

 法は、相続放棄について、相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならない旨を定めています(民法915条1項本文)。
 仮に、相続人が、この期間(熟慮期間)内に相続放棄も限定承認も行わなかったときは、単純承認をしたものとみなされ(民法921条2号)、負債も含めて故人の権利義務の一切を引き継ぐことになります(民法920条)。

 

「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、相続人が、相続開始の原因たる事実の発生を知り、かつ、そのために自己が相続人となったことを知った時と解されます。

 相続放棄の期限である「3か月以内」の起算点である、「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、単純に故人の死亡時ではなく、相続人が、相続開始の原因たる事実の発生を知り、かつ、そのために自己が相続人となったことを知った時を指すものと理解されています(大決大正15年8月3日 民集5巻679頁)。
 たとえば、故人に子供がいたものの、その子供が相続を放棄したため、次順位の相続人である親が相続放棄をする場合、「3か月以内」の起算点は、故人の死亡を知り、かつ、故人の子が相続放棄をしたことを知った時となります。
 また、相続人が複数いる場合は、それぞれが自己のために相続の開始があったことを知った時から、それぞれの熟慮期間が起算されます(最判昭和51年7月1日 家月29巻2号91頁)。

 

特別な事情があるときは、相続財産の全部または一部の存在を認識した時、または、認識できた時から、「3か月以内」の期間を起算します。

 たとえば、故人と相続人が長期間にわたり没交渉であったような場合、相続人が故人の相続財産は全くないものと信じ、かつ、相続人に相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があることも考えられます。
 このような場合、故人に相続財産が全くないものと信じ、かつ、そのように信じることについて相当な理由があるときは、「3か月以内」の期間は、相続財産の全部または一部の存在を認識した時、または、認識できる時から起算するものと理解されています(最判昭和59年4月27日 民集38巻6号698頁)。
 そのため、このようなケースにおいては、熟慮期間の起算点が、「自己が相続人となったことを知った時」より後ろ倒しされる可能性があります

 

熟慮期間は伸長できます

 相続人は、相続の承認または放棄をする前に、相続財産の調査をすることが認められています(民法915条2項)。もっとも、相続財産の構成が複雑な場合、相続財産の所在地や相続人の居住地が遠方にある場合、相続人が複数に及ぶ場合もあり、あらゆる場合に「3か月以内」の相続の承認・放棄を求めると酷な結果となりかねません。
 そこで、熟慮期間は、利害関係人または検察官の請求によって家庭裁判所において伸長することが認められています(民法915条1項但書)。

 

参照記事

 遺言書に関する疑問は「遺言書Q&A」をご覧ください。
 相続に関する疑問は「相続Q&A」をご覧ください。

 

 

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